2016年6月11日土曜日

長崎天草 ロイヤルホスト

Yくんと、ロイヤルホストに行った。

彼が会員になっているカードで何パーセントだか
割引になるという。



長崎・天草食さんぽ、というキャンペーンをやっている。

地域活性の仕事で長崎に縁のある知人が多いので
自然とひいきにしてしまう。

長崎、特に大村市は
1977年生まれの若い市長になって
チャレンジの多いまちだ。

以前『地活な人々』という本の取材と編集に携わったり
長くタウン誌の仕事で飛び回っていたこともあり
地域がどのように変わっていくのかには
それが遠いまちであっても関心がある。

まちにエナジーを注ぐのは、いつも人。

音楽だって無縁ではない。


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私の誕生日も近いので
何を食べてもいいという。


不知火ペスカトーレ、きのこのサラダ。

案の定というか
メニューの写真と違い
連子鯛はだいぶ縮こまり、蛸は指先ほどであり
いかは2きれであった。

Yくんが頼んだサイドメニューは
サーモンのテリーヌだった。

久しぶりにみた、カラフルな色合いのたべもの。

茶色くないたべもの。


それでもYくんと話ながら
楽しい時間を過ごした。

今や彼は息子であると同時にぶれーんでもある。

ぶれーんだが
靴紐がうまく結べたり
台所で包丁を使ったりすると
よくぞまあと感激してしまう。


周囲からすれば、そんなこともできないのかと
思われるかもしれないが
27歳だから、こうであれとは思わない。

少しずつでいいのだ。



2016年6月10日金曜日

朝の7時

朝7時過ぎと、夜7時過ぎ。

女性の怒鳴り声が聞こえる。

時に朝、それで目が覚める。

どうも春ごろに越してきたお母さんのようだ。

息子が2人いる。

愛想よくタオルを持って挨拶に来たあの人か。

とにかく怒鳴り声はいや。

やだなあ。

誰かが怒鳴ったり、トラブっていると無視するのが一番なのだろうが
つい寄っていってしまう。

電車の中でもそうだし
町の中でも。

耳をそばだててしまう。



最初に住んだアパートも隣の奥さんが
毎日、娘たちを怒鳴っていた。

上の娘は、小学校から音大に通っていて
朝の7時からピアノをばんばん弾いていた。
流麗にか? いや、私には、ばんばんだった。

いたたまれなくて、ポストに手紙を入れたこともある。

その人は大家のムコ夫婦だった。

やがて小イヌを飼い始めて
うちはノラのネコを飼い始めた。

小イヌは放し飼い同然で、玄関をあけているとよく家に遊びに来た。

母に買ってもらった指輪の石を
飲んでしまったのもその子だ。

そのうち、うちのネコはAIDSにかかった。
元気ではあったが
私の妊娠がわかったこともあって
しかたなくベランダに小さな小屋を作って
その中で飼っていた。

それをめざとく見つけたのが隣の夫婦だった。

ムコは、動物を飼うのは違反、しかも病気だと
なんのかんの“難癖”をつけてきた。

少し喧嘩になった。

「建替の予定があるから出て行ってください」

アパートを追い出されたぞ。身重だぞ。

しかし、今もそのアパートはそのまんま建っている。

築40年にもなるだろう。

楽しい思い出も、イヤな思い出もあるけれど
今となっては、時間が加勢してくれたのか。楽しい方が勝っている。

2間しかないあの部屋で
アルバムの録音もしたし
歌も歌えばギターも弾いた。


ピアノをばんばん叩いて
ぎゃんぎゃん泣いてた娘たちも
おそらく一人だちしただろう。

そしてあの夫婦は30年も年を重ねてどうしているのだろう。








2016年6月9日木曜日

これからよ。

アメリカから帰ってきた友人と御茶ノ水で会う。

今回はお母さんの介護で10日間の滞在。

まずクリスチャンセンターの書店でオーダーしていた本を。
それから谷口楽器でハーモニカのMANJIのAを。

彼女は数年前から
教会を通じて大勢の人と知り合いになり
アルコールや薬物中毒、DVから立ち直ろうとする人たち
ホームレスらの元を訪れ
話をするのはもちろん、歌ったり、パフォーマンスを見せたりしている。

ハーモニカはその仲間へのおみやげだ。
ブルースももちろん好きだという。
アメリカならホーナーは買えるだろうからと
日本製を勧めた。

私はキリスト教が・・・とつい口にしてしまうが
彼女に言わせるとそれはRelationship なのだという。

そうか。

日本でいうコミュニティ、地域社会活動のようなことだと理解すれば
教会が、より所となることも理解できる。


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お茶をおごってもらった。


 「何年になる?」
 
 「そうねえ、シュガー・ブルー呼ぶ前だし、Mちゃん産む前だから30年?」

 「うそでしょ。そんなに。変わらないわね」

 シュガー・ブルーを日本に呼びたい、その情熱から
 Sさんを訪ねてくれたのがそもそもの始まりだった。

その間に、お互いに子どもを育て
離婚も経験し、家もいくつか変わった。

彼女は家族でアメリカに渡り、
夫と別れ、プールの付いた家(その地域では決して珍しいものではない)を売り
愛犬を看取り、娘たちを送り出し
一人になった。

あ、その間にアメリカ国民にもなったんだった。

今は仕事もしているが、ミッションを何よりの生きがいとしている。

一人になったが
逆にどこにでも行けるよう身軽になった。

日本にいれば断捨利、断舎離(この言葉は商標登録されているそうだ)
とでも呼ばれるのか。

捨てられない女の言い訳に聞こえるかもしれないが
あまり好きになれない。

一つの熱狂的な思想になってしまうことが窮屈だ。

その人の自然な流れの中で、やがて捨てるもの
離れていくものが生まれてくる。
それに気づくかどうか。
そして捨てずに守るべきものを見極めるかも必要ではないだろうか。



話がそれました。

身軽になった彼女は言う。

「ミエさん、これからよ」
「今までいろんなことがあったけどムダな事は何もない」
と。

そうですね、とうなずくも
まだ私には、心からそう思えないところがある。

うだうだ考えていたら
こんな人がいた。


44年間塀の中で暮らしたオーティス・ジョンソンさんは
ハーレムで援助を受けて暮らしながら
自分のできることを考えている。

  <起きることにはすべて意味があります>

  <私は未来に生きる。それが社会で生き残る方法です。>

本文の方がニュアンスがわかりやすいかも。


'You gotta let things go because holding on to anger will only stagnate your growth and development,' he explains.

 'I don't feel that society owes me anything. Everything happens for a reason, I believe.

So I let that go, and deal with the future instead of dealing with the past.

 I try not to go backwards. I go forwards. And that's how I survive in society.





http://spotlight-media.jp/article/288863315527380791

2016年6月8日水曜日

モハメド・アリ、ジェームス・ブラウン、サム・クック

モハメド・アリが亡くなった。

もうすぐ、映画の公開されるジェームス・ブラウンの顔も浮かび
今なのか、と思うところもある。

子どものころは、カシアス・クレイと呼ばれていた。

カシアス・クレイ、カシアス・クレイ。
父の口から、その名前を幾度聞いたことか。

圧倒的に強いんだ。

はかりしれず強いボクサーなんだ。

それは子どもの私にもわかった。

それからずっと時間はたって。

私の中でカシアス・クレイが
モハメド・アリとなったのは
ブラック・ミュージックを聴いてからだ。

中でもマルカムXの映画を観て
本を読みあさったとき
その存在は確かなものになっていった。

そしてボクサー、アリの実像を
しっかりと私につかませてくれたのは
やはりキンシャサの奇跡であり
ジェームス・ブラウンやB.B.キングだった。

ダントツのチャンピオンであったアリには
金の亡者が群がり
様々な差別や思惑も容赦なくその頬を叩いた。

人種差別、公民権運動、ベトナム戦争。

その中でブラック・アメリカンとしての
何より人間としての尊厳を貫いた。

不可能は何もない。
とアリは言った。

しかし彼は、聖人ではないし
聖人として祀られることも望まなかった。

だからこそ
人は彼のことをフォークヒーローと呼ぶのだろう。

でも、私は語れるほど彼のことを知らないなあ。
もっと彼を知りたい。

アリの数少ないヒーローの一人、そして理解者の一人が
サム・クックだった。
サムのDVD「LEGEND」にも
実際に2人が会話するシーンがある。
アリとサムでレコードを作る予定もあったという話もある。
そしてマルコムも?

うーん。

人々の心を揺さぶったサムの歌声と
人々を熱狂させたアリのパンチ。

向かうところは同じだったのかもしれない。

もっともっと時代の横軸をつないで
ブラック・ミュージックを聞いてみたい。

アリと同じ時代を生きたジェームス・ブラウンもまた
闘い続けた紛れもないヒーローだ。

金のモンダイとか、暴力沙汰とか
いろんなゴシップネタには事欠かないけど
激動の時代に正面から向かっていった一人であることには違いない。

もうすぐ公開されるジェームス・ブラウンの映画は
ブルース、R&B、ソウル、ヒップホップと
あたかもブラック・ミュージックの歴史を映すようだ。

別の見方をすれば
波乱の人生
それはアフリカン・アメリカンの歴史でもある。


ファンクの帝王なんていう肩書きに引きずられることなく
一人でも多くの人がジャンルを超えて
彼を通じてブラック・ミュージックの豊潤な歴史
そしてアフリカン・アメリカンがたどってきた道に
興味を持ってくれるといいな。

ロードショーになったら、また観に行こう。


「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」
6月18日ロードショー
http://www.uplink.co.jp/mrdynamite/