2014年4月10日木曜日

胃弱のブルース

胃が弱い。

とずっと思っている。

胃弱の方に、なんていうクスリを見つけると
つい手が出る。
信州からしょこたんも飲んでいるとかいう
真っ黒いつぶつぶの漢方薬を取り寄せ
毎日20粒ずつ飲んだこともある。

絶対に胃潰瘍だと思って胃カメラを撮ったことも
3度はある。

「きれいな胃ですねえ」
「確かに・・・それじゃ、なぜすぐお腹いっぱいになるし、痛むんですか」
「おそらく機能性ディスペプシアでしょう。胃が動いていないんです」
と、おおような病名を指定され
やはり漢方を処方されたこともあった。
稼働していなとなれば、これ、どうにもならない。

だが、最近気づいた。

腸のほうが、もっと弱い。

昨日、午後バス3駅分歩いたらノドが乾き
暑かったので
ネクターなんか飲んだら、もうてきめんだ。

ぐるぐる、ぐるぐる。

その前の晩は、確かYくんと分け合い
コーラを分けて飲んだ。

自業自得である。

最近、たまに飲みに行くと
ビールを一杯。そのあと
焼酎のお湯割りなどを頼む。

みえさん、いけるねーなどとからかわれるが
皆と楽しく飲もうと思ったら
炭酸類の多量摂取はいけない。

お湯で割った温い焼酎や、燗を付けた日本酒
あるいは、ゆっくり飲めるカクテルなどしか選択肢がないのである。


胃腸の強い人がうらやましい。

胃腸の強い人にはパワーが漲っている。

やはり食べたり飲んだりしないと、人は弱いのだ。
なんとしてでも食べてやるという人には、勝てないのだ。

私など食べたもの、飲んだものが
胃腸にたまるほど
弱っていくのを感じることもあるぞ。

でも草をはむように生きることだって、できるだろう。
できないか。どうなのよ。

コレステロールの話をMy Brotherマウントくんにしたら
「家系、体質。なら美食を楽しみましょう」
だと。

実家で美食なんてした覚えはないが、とりあえず
あんたの脳天気には救われる。

そういえばMy Sister Rちゃんは
「うちはお父さんもだったけど、腸が弱いよね、家系だよね」
と言ってたな。

誰もお酒をほぼたしなまないのは
これ防衛反応か。

下の話題に偏ったところで
久しぶりに

Screamin Jay Hawkins「 Constipation Blues」 (1969) 


でも聞きますか。


2014年4月9日水曜日

客あしらい

昼前の打合せを終えると
久方ぶりに午後、時間ができた。

最近は約束の花見には参加できず
飲み会があれば遅れ
友だちには不義理ばかりで
時に恋バナもいいけど、私たちとも遊んでねと
言われる始末だが
いやいや、浮いた話ならともかく
3月末から4月は
本当に気の休まることがなく。

クライアントの担当者が変わったというのも
心配ごとの一つであった。

学生のころ、4月は憂鬱な季節であった。

クラスガエになるたび
私は教室の隅っこで暗い顔をしていた。

何がいやだった。

友だちと違うクラスになるのが。
新しい友だちに囲まれるのが。
教室が変わるのが。
先生が替わるのが。

いや、そんなことが、いやだった。

あれはなんだったのか。

引っ越しのたび
新しい家、新しい街に慣れるまでにも
いくらか具合が悪くなったものだ。


でも今日はそのうち合わせも少しうまくゆき
だからこそ、うれしい午後の自由時間。

しかも、コートを脱ぎ捨てて申し分ない陽気ときている。

とりあえずコンタクトレンズの交換だ。

定額システムにしているから1年に1回無料で交換できる。

雑居ビルの4階にあるメガネ屋さんには
店のおやじさんしかいなかった。

遠近両用も良くなっているのでしょう、と尋ねたら
「今度新しいシリーズが出たんですよ・・・・・・」
「皆さん、新しいのにされますよね・・・・・」
と、メガネ屋のおやじさんは、引き出しをいじりながら言う。

ああ、いいですねと乗り気になったら
「あの、遠近じゃないですよ・・・」

な~んだ。

じゃ、同じ度数でそれにしてください。

今度のは、驚くなかれ、30日間連続装用も可能だそうだ。


「1か月間、寝てるときも、ずっと、つけていいということですか」
「そういうことになりますが、まぁあまりお勧めはしませんけど・・・・・・」

他にどこが変わったんですか、と尋ねると
テーブルの上にパンフレットを開き、愛想笑いを浮かべながら
カーブがなんとか・・・と言った。

まぁ、それにしましょう、いいですよ。と決め、用紙を書いていると
「あの、(毎月)300円あがるけどいいですか・・・」

え、そういうのって先に言うんじゃないの。

このメガネ屋さんに10年ほど通っているのだが
行くたびに湿気った雰囲気がかさんでいく。

おやじさんは見るたび身体から自信というものが
抜け出ていくようにも見える。

あとからペットボトルを下げた店員らしい男性が入ってきたが
私を一瞥しただけだ。

新しいレンズをつけていると
「装着液、これ、皆さん、いいっておっしゃるんですよ・・・」
と、また何かつぶやいている。

やはり、愛想笑いを浮かべている。

帰り際にも「装着液、いいんですけど、どうですか・・・」
と言うので、丁重にお断りした。800円の品であった。

売れると、インセンティブでもあるのだろう。

メガネ屋さんを出たら、ストールがないことに気づいた。

おそらくランチを食べた、地階にあるタイ料理店だろう。

すみません、緑いろのストールの忘れ物はないでしょうか。

扉を開けてそう声をかけると、先ほど接客してくれた男性が
私の顔を見ただけで、座っていた奥の席を調べてくれた。

戻ってきた手には確かに、グリーンのストールが。

「申し訳ありません。気づきませんで」

いえいえ、こちらこそ。

あぁ、この人はプロだと思った。











2014年4月7日月曜日

マンモグラフィー

これは日々の記録なのか
あるいは思いつくままの雑文なのか。

そのあたりがもう一つはっきりとはしないが
書かないでいると
心に積もるものを感じるようになった。

3月末から4月アタマにかけて
〆切が重なり、落ち着かなかったが
ようやく一段落した。

収入は減るが肩の荷がおりた。

その間、
表も大雪などなかったかのように
春が押し寄せてきた。

サクラも咲き、散りかけた。

以前は、春の漲る感じを好きな一方だったが
このごろ、あつかましさを感じることもある。

なにがあったっけ。

婦人科検診にも行ったな。

単純に婦人科だと思っていたら、そこは
放射線科を併設した乳がん、子宮がん検診専門クリニックだった。

女医さんです。

大きなソファがコの字型にならぶ
やわらかなムードの待合室。

母娘で来ている人。大柄なチュニックの人。
近所なのか、構わないなりの人。
仕事会社帰りらしい大きなバッグを抱えた人。
品のいい高齢と呼んで差し支えない人。
みな、女性である。

なのに、一人いらいらをふりまく女性あり。
隣に誰か座ると、あからさまに席を替わる。

投げ出すように大きく組んだ脚。
ストッキングには脛に沿って、網目模様が入っている。
せっかちな調子でスマホをいじっている。
膝には人が出る。

あとから一人男性。

いっても二十歳そこそこのカップル(だろう)。
産婦人科ではたまに見る光景だが
検診についてきたということだろうか。

男の子はばつの悪さを隠すためか
それともそう気にしていないのか
半笑いである。

そして「ちょっとバイト先に電話してくるね」と
そんな彼をのこし、表に出てしまう彼女。

しかたなくスマホの画面をいじる彼。

さて私だ。

3年ぶりのマンモグラフィーである。
つまり、冷たい機械の上に
おっぱいを乗せて、アクリルの?板ではさむのだ。

大きなおっぱいでなくても、ひっぱれば不思議と、はさめます。

前回は要検査と言われ、大きな病院に行かされたわけだが
あのときは痛かったな。

ドアの上で撮影中と書かれた電気が光ってる
なんだか仰々しい部屋だった。

「けっこう、痛いですね」
とそれこそ半笑いで、技師の女性に話しかけたが
彼女は表情一つ変えず何も返してくれなかったのだった。

「今のマンモは痛くないので受けましょうね」という記事を
2~3度書いていたので
ちょいとショックであった。

しかし、今回はスムーズだった。

先生が慣れているのと
機械が新しいというのもあるだろう。

これなら年に一度は受けてもよい。

女性のみなさん、受けましょう。

数日後、送られてきた検査の結果には
両側良性石灰化と。

以前は片側だけであったと思う。

石灰化とは細胞が壊死してカルシウムが沈着したものらしい。

年齢とともに順調に細胞が失われているということか。