2012年1月1日日曜日

新しい年に。

あけましておめでとうございます。
旧年中はお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。

この業界に限らずとは思いますが
今年はよりいっそう厳しい年になりそう。

お役にたてそうなお仕事があれば
なんでも声をかけてください!



ビートたけしが、昨年亡くなった談志師匠のことを
「談志さんの時代が古典落語に合う時代じゃなかった。本人もイライラしていたと思う」
とその才能を認めながらも冷静に分析するのを聞いて
やはり、どこか報われない人生とはあるものなのだなと
少しやりきれない気持ちになる。

確かにゴッホやモディリアーニ、あるいはシューベルトをはじめとする
幾人かの音楽家たちのように、
この世を去ってからはじめて評価される芸術家は少なくない。

いや芸術家に限らない。

没落したり、傾いたり、失ったり。

昔は可哀想だなとぼんやり思うくらいだったが
年齢を重ねてくると
人生ハッピーエンドばかりとは限らないのだなとわかり
天秤棒の錘が一つずつ増えていくようで
足もとがふらつきそうになる。

本音を言えば、怖いのである。

永遠に、なんて歌詞を熱く歌う歌は信じない。

今までは、なんのかんの言っても守られていた。
親に、家族に、そして先輩たちに。
でもこれからはそういう人たちが
世を去らないまでも
現役から一人欠け、二人欠け、
自分が今度は船の舳先に立つ。

亡くなった人のことも思う。

街角でおや父親に似ていると足を留めたり
夢の中で急死した仕事のパートナーに励まされたり
いつまでも心の中では傍にいてほしいとは思う。

でも最近は、死んだら人は無に返るように思う。

いなくなってしまうのだ。

そしてそれでいいのではないだろうか。

  今は新しき者であるあなたがたも
  いつか古き者になって、忘れ去られる。

そんな下りがスティーヴ・ジョブズのスピーチにあった。
ちょっと寂しいけれど
そうでなければ、新しい文化も生まれてこないし
次の時代もやってこない。

だんだんと、若い人に席を譲っていこう。

でもそのためにも、昔にしがみつくのではなく
素晴らしい文化や、人間としての尊厳は伝えていこう。

生きていくことはますます不安だけれど
それだけはやっていこうと思う。



なんだか新年から、および腰みたいな文章になっちゃった。

まずは1月は、目下制作中の書籍の原稿をがんばります!












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