2011年11月7日月曜日

マダムギターも出演!『大地を叩く女』

遅ればせながら。

先日ご紹介した『不惑のアダージョ』と同じ
井上都紀監督の『大地を叩く女』についても
触れておきたい。

主役は、パンチの効いたブルースなどで活躍するドラマーのGRACE、
と聞いていたから
ふーん、力強く生きる女性が主役なのね、ぐらいの気持ちで見始めたところ
のっけから自分の甘さを恥じた。

GRACEは肉を叩いていたのだ。

GRACE演じる千春は、恋人からDVを受けている。

赤い肉を扱う肉屋のオンナが、私生活では彼に殴られている。

生身すぎる。

この肉屋で働く同僚を演じるのが
マダムギター長見順、かわいしのぶ ら、バンド・メンバー。
厨房で、肉を刻み、ソーセージをつめる間に
セッションが始まる様は痛快だった。

コール&レスポンスは
誰かと自分だけじゃなく
自分の中の自分とのかけあいなんだ。

そして、ビートは希望だった。

そうそう、セリフを言うマダムも、かっこよかったよ~。



『不惑のアダージョ』にしてもそうだが、
できれば一人ではなく、誰かと観るか
観た後にどこかで感想を口にすることをおすすめする。

なにしろ、一人で背負うと結構、重い。

同じ女性として思い当たる節があるから、
なんだか後ろめたい気もしてしまう。

女はどこかナマミで生きることに蓋をしている。
時に楽をしている。

でも、希望はナマミを認めたその先に待っているにちがいないのだ。

ニッキ・ジョバンニのような黒人女性文学的な匂いをも
感じさせる井上監督。音楽ファンとしても目が離せない。


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